コラム

介護業界が抱える課題と将来性について

「 少子高齢化 」というキーワードを聞いて、長年ずっと解決されない社会問題だと考える人は多いのではないでしょうか?

そんな少子高齢化が進む日本では「 介護 」へのニーズが高まる一方である中で、解決しなければならない様々な課題を抱えています。

また、介護業界の将来が気になる方もいるのではないでしょうか?

特に新型コロナウイルスの感染拡大によって自分の仕事を続けることができるのかについて不安を感じた方もいらっしゃったと思います。

今回は、介護業界が抱える課題と将来性について理解することで、不安を少しでも減らすことができるようにご説明します。

 

介護人材不足

介護人材不足は深刻な課題になっています。

そのような介護人材不足を解決するために、介護職員の待遇改善や現場への介護ロボット導入なども検討されていますが、実際にはその効果があらわれているとはいえません。

そもそも介護とは、心身機能が低下した方へ本人の尊厳を大切にしつつ、生活の質を維持・向上してもらう支援を行うことです。

生産性を大きく見出すことが難しい業界であり、介護保険など公的な仕組みも関係するため、費用を設定する上でも制限が設けられるなども考慮しなければなりません。

 

社会問題を解決する仕事

一方で、介護職は社会問題を解決する仕事に相当します。

介護ロボットなども開発されてきていますが、まだまだ全面的に人間の代わりをできるような状況ではありません。つまり、人間が行わなければいけない業務が介護業界にはまだまだ多く存在しています。したがって、介護業界の仕事は将来的にも残っていくと考えられるでしょう。

 

今後の少子高齢化の予測

少子高齢化は今後さらに拡大し、経済や社会面から考えてもよい状況とは言えません。

経済に対しては労働人口減少による生産性の低下は避けることができず、会社員の給料の減額や貯蓄重視という傾向の高まりなどで、活性化は期待できなくなってしまいます。

社会保障費負担が増大すれば、生活水準も下がり日々の生活に重大な影響が及んでしまいます。

そして日本社会を担うこととなる20~30代の税金や保険料負担が増え、家計が圧迫されることは避けることができないといえるでしょう。

経済停滞に社会保障費に対する税金や保険料負担が重くなる中で、安心して子どもを産み育てることはできるのかといった不安も大きくなり、増々単身者や夫婦のみの世帯が増えてしまう可能性も出てくるでしょう。

つまり、若い世代が段々減っていく一方で、高齢者の割合が増えていくことになります。

介護難民

今後、高齢者が増えていくと介護難民が増えていく可能性があります。介護難民とは、介護を受けたいのに受けられない人のことをいいます。

近年では、高齢化に伴い介護従事者が不足し、介護施設はあるが医療ケアが必要な人に対応できる職員がいないことで介護施設に入居することができずに介護難民になってしまう高齢者がいるのです。

これは、介護従事者が、一人前になる前に離職してしまうこともこのような状況を生んでしまっていると言えます。

また、特に東京近辺の一都三県ではこの介護問題という課題を解決しなければならなくなっています。

これは高度経済成長期に東京都とその近郊へ地方から移り住んだ方たちが高齢化しているという背景が関係しています。

現在でも地方から東京やその近郊へと人が流れる状況は変化していませんので、地方で育った子が進学や就職を機に上京する東京一極集中により、さらに介護難民は増える可能性があります。

東京周辺の周辺県では介護施設が多く設けられているものの、周辺県そのものでも高齢化が進んでおり、東京都に住んでいる高齢者を受け入れる余裕もなくなっています。

今後は地方都市に向け、高齢者を受け入れる余力のある介護施設に支援してもらうことも必要となるのかもしれません。

 

平均寿命上昇で社会保障費は増大

日本人の平均寿命は年々上昇傾向にあり、厚生労働省の「簡易生命表(令和2年)」でも2020年の日本人平均寿命は男性81.64歳、女性87.74歳という結果になっています。

国際的に見ても日本の平均寿命は長く、最近では、「人生100年時代」ともいわれています。

1950年頃と比較するとその年数は20歳以上長くなっている状況で、医療技術の発達や栄養・衛生状態の向上により、将来はさらにのびるという予測です。

平均寿命が長くなることはよいことではありますが、健康な状態でいられる期間である健康寿命とは差があります。

平均寿命が健康な状態で生きていられる年数ではないため、平均寿命と健康寿命の間にある介護や医療ケアを必要とする期間を縮めていかなければ、今後も介護を必要とする高齢者は増加し社会保障費も大きくなってしまうでしょう。

 

まとめ

今回は、介護業界が抱える課題と将来性についてご説明しました。

少子高齢化に伴い、介護職の重要性が理解できたのではないでしょうか。

最近では、ようやく国も国策として勤続10年の介護員に月額8万円の処遇改善を提案するなど、国をあげてイメージアップに取り組んでいます。

社会問題を解決する仕事をしているという自信をもって働けると良いですね。

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