コラム

トラブルになる介護保険の通院介助

通院介助を行う際、介護保険が適用されるのかどうかがわからない、もしくは、適用されると思っていたが、適用範囲外だったというケースがあるのではないでしょうか。

今回は、通院介助を介護保険サービスとして利用したいときに気をつけたいポイントや介護保険がどの範囲まで適応されるのか、適応されないケースはどこからか条件も含めてご説明します。

介護保険の適応範囲を理解することで利用者との間にトラブルが起こらないようにしましょう。

通院介助とは

通院介助とは、施設利用者が医療機関に通院するための移動の介助のことをいいます。

医療機関での待ち時間が長くなることでストレスになることや身体的な理由で利用者が一人で行くことができないことなどで通院介助を頼まれることが多くあり得ます。

そこで、利用者に介護保険のサービスで対応して下さいと頼まれるかもしれません。そのときに、一人で病院に行くことができないからといって安易に介護保険サービスで対応することはできません。

介護保険サービスとして通院介助を利用・実施するには、いくつかの条件があります。また、市町村によって対応が分かれることもあるのです。

 

介護の必要度合いによって変わる対象者とは

介護保険制度のサービスを受けるに当たり、条件の一つとして介護認定が要介護1~5に該当している必要があります。そして、ケアマネージャーが必要と考えてケアプランに組み込まれていることです。ですので、要支援の方や高齢者だからといって誰もが介護保険で通院介助してもらえるとは限らないのです。

 

通院介助の基準

通院介助は身体介護に当たります。身体介護とは、体に触ったり、手を貸せるように見守る介助であることが算定の基準となっています。厚生労働省の通知によると、以下のような業務を指すものと規定されています。

 

声かけ・説明→目的地(病院等)に行くための準備→バス等の交通機関への乗降→気分の確認→受診等の手続き

(場合により)院内の移動等の介助

 

介護保険に適応されないケースとは

自宅以外からの通院をする場合には、通院介助に適応されない

介護保険で適用される通院介護は、自宅あるいは老人介護施設での訪問介護に当たるサービスです。ですので、自宅以外の場所から通院するために介護保険を使うことはできません。

 

最寄りのバス停からの通院をする場合には、通院介助に適応されない

ヘルパーさんと最寄りのバス停で待ち合わせをして通院する場合などは自宅からの通院ではありません。ですので、介護保険を使うことはできません。

 

タクシーを利用した通院をする場合には、通院介助に適応されない

家を出てすぐタクシーに乗るということであれば、乗車中は「身体介護」として算定することができません。ですので、身体介護の保険を使うことはできません。ですが、介護タクシーを利用した場合には、介護保険の通院等乗降介助が適用されます。自己負担割合が1割の場合、1回当たり99円となります。これに運賃や介助費用、介護器具のレンタル料が加算されます。介助費用は手を貸せば自力で降りられるのか、車いすが必要なのかなど乗降スタイルによって変わってきます。また、介護器具をレンタルした場合にもそれぞれ費用がかかります。事前にサービス事業者に料金体系を確認しておきましょう。

 

一人で歩くことのできる方が通院をする場合には、通院介助に適応されない

一人で歩くことのできる利用者の通院は、「身体介護」として算定することができません。ですので、介護保険を使うことはできません。

 

ヘルパーの交通費は、通院介助に適応されない

これについては、トラブルが非常に多い事例となっています。

公共交通機関などを利用して通院介助を行う場合、ヘルパーの交通費は基本的に利用者さんが負担します。

しかし、保険が下りると聞いて当然、すべて介護保険が適応されると思っている利用者にヘルパーの交通費は利用者が出して当たり前だと思っていて説明をしないことでトラブルになる場合があります。トラブルにならないために事前の説明を必ず忘れずにしましょう。

 

寄り道をすることは、通院介助に適応されない

厳しいとは思いますが、せっかく外に出たから、ついでに銀行や買い物に寄るという行為は、通院介助の範囲を超えてしまっています。厳しいとは思いますが、保険適応内で納めるためにも工夫しましょう。

 

まとめ

今回は、通院介助を介護保険サービスとして利用したいときに気をつけたいポイントや介護保険がどの範囲まで適応されるのか、適応されないケースはどこからか条件も含めてご説明しました。

通院介助は、身体介護にあたること、家から目的地までの介護が保険適応内であることがわかったのではないでしょうか。

特に、保険適応外のものは事前の説明することでトラブルを防ぐことができるようになるでしょう。わからない場合は再度この記事を参考にする、もしくは都度調べて、対応できると良いですね。

 

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