コラム

介護現場におけるノーマライゼーションとは?

2019年10月30日

高齢であることや障がいの有無に関係なく、住み慣れた場所で生活できる環境をつくろうという考え方を「ノーマライゼーション」といいます。

 

住んでいる地域で生活することを可能とする社会の実現に向けた取り組みですが、介護現場で高齢者を支える上でもノーマライゼーションの理念は大変重要です。

 

そこで、このノーマライゼーションについて詳しく解説していきます。

 

ノーマライゼーションという考え方ができたきっかけ

ノーマライゼーションとは、もともと1950年代にデンマークで起きた施設改善活動である「知的障がい者の親の会」によりできた考え方で、デンマークの社会省で知的障がい者施設の担当者だった方が、大規模入所施設のあり方に疑問を抱いたことで家族などと一緒に法改正に尽力したことがきっかけです。

 

結果、「ノーマライゼーション」という言葉が使われた法律でる「1959年法」が誕生しましたが、この1959年法は「国連知的障害者権利宣言」や「国連障害者権利宣言」の基本的な理念として取り入れられました。

 

さらに1960年代には、北欧諸国にノーマライゼーションの理念が広がっていき世界中に周知されるようになったようです。

 

日本でノーマライゼーションが広まったのはいつ?

日本では1981年の国連決議「国際障害者年(完全参加と平等)」をきっかけにノーマ来是ーションが知られることとなり、オリンピックだけではなく同時にパラリンピックが開催されるようになりました。

 

さらに福祉の基本理念として、1993年「障害者基本法」や1995年「障害者プラン ノーマライゼーション7か年戦略」などに用いられるなどといった形です。

 

ノーマライゼーションとバリアフリーの違い

日本では、ノーマライゼーションという言葉よりも、バリアフリーのほうが広く知られているといえるでしょう。

 

バリアフリーとは、高齢者や障がいを持つ方が社会生活に参加することに対し、生活の妨げになる物理的な障害やメンタル部分での障壁をなくそうとすることや、それらを取り除いた状態を示すことばです。

 

もともと建築の分野で使われている言葉であり、たとえば車いすを普段利用している方や、杖を使っている方にとっては、健常者であればほんの小さな段差であっても大きなバリアとなって立ちふさがります。

 

この立ちふさがったバリアを取り除こうとするのがバリアフリーです。

 

ではノーマライゼーションとは?

一方、ノーマライゼーションとは年齢や心身状態に関係なく、同じように生活できる社会を作ろうという考えのことなので、そこに障がいがあろうが、価値観や考え方に相違点があったとしても、それぞれが人として同じ権利を持つことを意味します。

 

まさにノーマライゼーションを実現しようとする方法がバリアフリーといえるので、ノーマライゼーションの中に含まれる考え方の1つとも考えることができるでしょう。

 

 

介護現場でのノーマライゼーション

介護現場においても、このノーマライゼーションの理念が重視される傾向にあります。たとえば介護施設に入所されている方は、それぞれの事情があってのことでしょうが、中には住み慣れた自分の家でできれば生活したい、家族と一緒に暮らしたいと希望しているのかもしれません。

 

そのような当たり前ともいえる願いを実現しようと、ケアマネジャーは利用者の権利や尊厳を考慮しながら、生活の質をできる限り落とすことの内容、ケアプランを作成します。

 

在宅介護サービスは、そのような自宅で生活を送りたいと希望する利用者の願いを叶えつつ、介護をする家族の負担を軽減するために生まれたサービスであるといえるでしょう。

 

介護サービスを提供する介護事業者の使命として

できるだけ希望する形で日々の生活を送りたいと誰もが考えるものです。それは介護が必要であろうがなかろうが関係なく、誰にでも共通することであるといえるでしょう。

 

ただ、高齢になり、身体が思うように動かなかったり、家族の気がついていないところで思いもよらない行動に出たりなど、これまで通りに自宅で生活を送ることが難しくなる場面もあります。

 

今後、日本はさらに高齢化社会が進み、ますます介護を必要とする方が増えていくことが予想されます。そのような状況の中で、介護を必要とする方ができるだけ住み慣れた地域で自分らしさを失うことなく、生活を送ることができるように介護サービスを提供するのが介護事業者の使命といえるでしょう。

 

そしてバリアフリーやユニバーサルデザインなども、ノーマライゼーション実現に必要な取り組みの中の1つです。

 

これからも高齢者や障がいを持つ方たちが、できることはなるべく自分で行いたい、若い世代や健常者と変わらない生活を送りたいという希望を持っているのなら、その希望を叶えるための法律や制度が見直しされていくこととなるでしょう。

 

ノーマライゼーションは福祉の基本理念

このようにノーマライゼーションとは、もともとは知的障害の方の施設改善運動がきっかけとなり、海外で始まった考え方ではありますが、近年では施設単位ではなく地域単位で介護を必要とする方を支えようという流れに広がっています。

 

誰でも自分らしく生活を送ることを可能とする社会を実現させるために、ノーマライゼーションは福祉の基本理念であるということを認識しておく必要があるでしょう。

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