コラム

訪問介護で利用者宅を掃除する時には何に注意すればよい?

介護サービスは、通所により利用するケースもあれば、施設に入所するケース、さらに介護スタッフに自宅に訪問してもらうケースもあります。

 

利用者の自宅を訪問し、介護を行う訪問介護で働くスタッフの中には、掃除のやり方がよくわからないという悩みを抱えていることもあるようです。

 

たとえばどこまで掃除すればよいかわからなかったり、共有部分の掃除をしそうだったりなど、不安を抱えていることもあるようですが、訪問介護において掃除はトラブルが多いサポートの1つともいえます。

 

利用者の生活援助を行う上でどのような掃除を行い注意すればよいのか、訪問介護における掃除で悩まないためにも知っておくとよいでしょう。

 

訪問介護で行う掃除の内容

訪問介護で利用者宅の掃除を行う場合、それぞれの暮らし方に合わせることが必要です。

 

利用者の家の掃除方法を把握し、快適で清潔な暮らしができるようなサポートを心掛けましょう。

 

掃除する範囲は、居室・台所・トイレ・浴室・洗面所などで、部屋の掃除では整理整頓・換気・室温調節なども行っていきます。

 

掃除機かけ・モップかけ・床拭き・壁掃除などの他、古新聞や分別ごみを所定の場所に出すといったことも行うことになります。

 

その際、次の点に注意して掃除を行うようにしてください。

 

①利用者との信頼関係を築く

利用者とスタッフとの間で信頼関係を築くことは欠かせません。誠意ある行動や言道を心がけていきましょう。

 

②利用者の習慣などを大切に

スタッフの掃除のやり方を押し付けることや意見を押し通すことはせず、利用者の生活習慣や考え方を理解するようにしましょう。

 

具体的には、床に傷がつかないように掃除機を使わずモップで拭くといったことや、掃除機の吸い込みが弱いため粘着力のあるクリーナーを併用することを希望する利用者もいます。

 

利用者の掃除ルールに合わせ、作業を行うようにしてください。

 

③必ず必要なことを理解する

サポートの中でも必ずやってほしいと希望することもあれば、できればやってほしいこともあるでしょう。必ずやってほしいと希望することを優先して作業を進めていきます。

 

④守秘義務を守る

利用者の家に入って作業を行う上で、プロ意識を高く持ち利用者のプライバシーを守ることは絶対条件です。

 

⑤私物に触れる時は利用者に声をかける

掃除をする過程において、利用者の私物に触れることも少なくありません。しかし利用者の中には、配置に気をつかい動かしたくないと考える方もいます。そのため利用者の私物に触れなければならない時には、まず声をかけて確認を取るようにしましょう。

 

 

訪問介護の掃除でやってはいけないこととは?

訪問介護の掃除で、家族との共有部分を掃除することはできません。

 

あくまでも介護を受ける利用者の生活を援助することを目的としているため、利用者の家族が利用するスペースなどは掃除できない決まりとなっています。

 

そのため利用者の家族から、ついでに共有部分もきれいにしてほしいと頼まれたとしても、掃除はできないと断ることが大切になります。利用者に対して以外の洗濯や炊事なども同様の扱いです。

 

もし掃除をするべき場所か判断できない場合には、事業所に戻り確認することも必要となるでしょう。

 

  • 窓や庭などの掃除もできない

 

訪問介護では、窓の拭き掃除や庭の草むしりや草木への水やりなどは行ってはいけないこととして定められています。他にもペットの世話や床のワックスかけ、家具の移動などもやってはいけないこととされているため注意してください。

 

この中で、窓や換気扇の掃除を行わないことで、クレームやトラブルになりやすいといった問題も出てきています。

 

窓ふきなどの掃除がやってはいけないこととされているのは、日常生活に必要な掃除ではなく大掃除の範疇に入るからという理由です。換気扇に関しては、家族全員が使うものである上に、それほど頻繁にする掃除ではないからといえます。同様に、庭の落ち葉を集めたり庭木の手入れをしたりすることもできません。

 

あくまでも利用者だけが使うスペースで、利用者自身ができず毎日の清潔を保つために必要な掃除をサポートすると認識しておきましょう。

 

掃除するとき全般で気をつけておきたいこと

利用者の自宅で掃除を行うため、部屋にある利用者の私物を落として壊してしまわないように注意しましょう。

 

利用者宅によって、中には非常に高価な物品などを飾ってある場合もありますので、丁寧に作業を行うことを心がけてください。

 

そして掃除を行っている時にも、利用者を見守ることが必要です。中には歩行が不安定な方もいれば、認知症を患っている方もいるでしょう。

 

常に見守りを必要とする方もいるので、掃除のみに集中し過ぎず、気にかけるような配慮が必要です。

 

なお利用者との信頼関係を築くことができれば、情が湧きいろいろとやってあげたいと感じてしまうものですが、互いに依存し過ぎてしまえばそれがトラブルに繋がることもあると留意しておきましょう。

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