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介護施設で行う新人研修の内容とは?何を身につけていくことから始めるべきか

介護事業所の中には、求人募集の広告を出すときに「未経験の方でも研修制度があるので安心」といった内容を記載したことはないでしょうか。

 

介護業界で働いたことがないものの、新たな分野でチャレンジしたいと考える求職者にとっては、介護業界で働く一歩になるフレーズといえます。

 

しかし介護現場で働いたことのない初心者にとっては、どのような研修が行われるのか、その内容などについて不安を抱えているのも事実です。

 

そこで、実際に介護施設では新人向けの研修としてどのようなことを行うのか、その内容についてご紹介します。

 

介護施設で行う新人研修の内容

介護施設で行う新人研修は、施設ですでに働いている介護スタッフや上司などが講師となり行う内部研修と、外部のプロの講師が行う外部研修があります。

 

まずは内部研修で簡単な業務内容を学び、必要に応じて外部研修によりスキルを高めてもらうことが多いといえます。

 

主に内部で新人向けに行われる研修の内容として、次のようなことが挙げられます。

 

①介護職として働く上での心構え

実際に介護現場で仕事する前に、施設の理念や方針、介護職としての心構えなどの研修を行います。

 

介護現場では利用者の人権を尊重し、配慮しなければならない場面も多くありますが、介護サービスを提供する上での基本となる考え方を学んでもらうための研修です。

 

②基本的なビジネスマナーについて

介護現場で先輩スタッフや上司から指示をどのように受けるのか、敬語の使い方や報告の方法など、基本的なビジネスマナーを研修します。

 

社会的な常識や身だしなみ、介護施設内でのルールなど様々なことを学んでもらうための研修です。

 

③利用者に対する接遇のマナーについて

介護現場では利用者との関わりは避けられないため、相手の尊厳を守る話し方や話の聞き方など、介護職として必要な接遇マナーについて研修します。

 

利用者とは敬語や丁寧語で会話することが基本であり、円滑なコミュニケーションを取るためにもしっかりと接遇マナーを身につけてもらうことが大切です。

 

④リスクマネジメントについて

要介護状態の高齢者が日々利用する介護現場では、利用者の転倒や誤嚥など様々なリスクが潜んでいる状況です。

 

どの業務にどのようなリスクが潜んでおり、もしリスクを発見したときにはどのように対応すればよいか、リスクマネジメントの基礎を研修します。

 

⑤身につけばければならない介護技術について

介護技術を深める研修では演習を交えて研修を実施していきますが、食事介助・移乗介助・排泄介助・入浴介助など身体介助を行うときのポイントやリスクを学んでもらいます。

 

正しい方法を学んでもらわなければ、利用者が転倒してしまうリスクが高くなるだけでなく、介護者の体にも大きな負担がかかり腰の損傷や事故につながることもあるからです。

 

介護技術については外部のプロ講師に研修を委託し、実施されることも多くなっています。

 

 

実際に介護現場で身につけていく技術や経験もある

新人向けに実施される研修の内容はいろいろですが、重要とされるポイントを押さえておき、現場で実際に働きながら技術や経験を身につけていくことになります。

 

現場研修の際には口頭による指導だけでなく、マニュアルやテキストに沿った教育が実施されることとなるでしょう。

 

中堅スタッフ向けに行う研修の内容

ある程度経験を積み、介護現場での仕事に慣れてきたときには、別途中堅スタッフに向けた研修を実施する介護施設も少なくありません。

 

たとえばチームワークや指導力を向上させることを目的とした内容の研修が多く、主に次のようなことをテーマとして取り上げて行われます。

 

  • コミュニケーション力を向上させる内容
  • 指導力や育成力を強化させるための研修
  • クレーム対応能力を向上させるための研修
  • モチベーションやチームワークの向上に向けた内容
  • 論理的思考力や問題解決能力の向上に向けた内容

 

また、次のような研修も実施されることがあります。

 

  • リーダーシップを向上させるための研修
  • 組織力上級研修
  • 会議運営力を強化するための研修

 

教育に力を入れている介護施設が行う研修

スタッフ教育に力を入れている介護施設の場合、他にもいろいろな研修や制度を取り入れスキル向上を図っています。

 

たとえばスキルやモチベーションをアップさせ、介護サービスを向上するために「介護職員初任者研修」「介護福祉士」「ケアマネジャー」など資格取得を推奨し、講座を施設独自で開催するといったことも取り組みとして行われています。

 

また、講習会に参加する費用などは施設側が負担し、資格取得に向けた全面的なサポートを行うことで、安心して学ぶことができる体制を作っている介護施設もあります。

 

他にも介護スタッフの業務範囲を広げ、さまざまな状態の利用者を受け入れることができるように、医療行為を可能とする介護職認定の実技やリハビリ指導を学ぶ研修を行うケースなどもあるようです。

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