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介護福祉士を取得していれば資格手当が付いて収入がアップする?

介護業界で働くことを希望するとき、施設で働く上でこの資格が絶対に必要というものは本来ありませんが、施設や事業所によっては一定の資格を所有していることを採用の条件にしている場合もあります。

 

利用者に上質なサービスを提供するために、専門的な知識は必要になりますので資格はできるだけ取得しておくとよいでしょう。

 

介護職員初任者研修や実務者研修などもありますが、目指したい資格はやはり介護福祉士です。では、介護福祉士の資格を取得すれば、給料に資格手当などが付いて収入アップに繋げることはできるのでしょうか。

 

長期勤務した介護福祉士なら収入があがる?

一般的に介護職員の収入は、月給でみると他の業種より10万円ほど低いといわれています。しかし心身ともに負担が大きい業務なので、本来であれば他の業種よりも高くなければ割があわないと感じる人もいるかもしれません。

 

そこで、このような介護現場の不満を埋めるために、国から勤続10年以上の介護福祉士に対し、平均月額8万円相当の賃上げを行うことが閣議決定されています。

 

介護離職はいろいろな理由があるものの、年間10万人にもおよぶといわれています。人材不足の業界といわれている介護の現場を充実した職場環境にするために、この賃上げの取り組みは今後、介護業界を大きく変えるとも考えられます。

 

これから資格を取得する人にはピンとこない施策?

介護福祉士試験の受験資格も取得しづらい状況で、自分で資格を取得する場合には実務者研修を半年以上、自費で行うことになります。

 

試験に合格しなかったとしても介護現場で働くことはできなくないので、わざわざ自己負担で研修を受けてまで資格を取らなくてもよいと考える人もいるはずです。

 

しかし今回の賃上げの対象となるのなら話は別です。資格を取って長く勤務すれば、かなり収入が安定するものになるでしょう。

 

実際、賃上げの対象になる介護福祉士はあまりいない状況といわれています。厚生労働省の調査では、介護福祉士の平均勤続年数は6年なので10年続けて勤務している介護福祉士が少ないことが関係しています。

 

そのため、現在勤務している介護福祉士が退職してしまうことの歯止めにはなる施策かもしれませんが、これから資格を取得して介護福祉士として活躍することを希望する人にとっては、あまり身近に感じられない施策ともいえます。

賃上げの対象になることを目指せる職場が吉

なお、月8万円程度の賃上げは、国からお金が支給され、一旦は事業所に入り、事業所から介護福祉士にどの程度の賃上げを行うのかを決定するという形になります。

 

そのため、事業所の判断にゆだねられる部分がありますので、勤続年数、雇用形態、勤務態度など、いろいろな評価により賃金が大きく左右される可能性もあります。

 

結局のところ、事業所が介護福祉士の給料を決めることは従来と変わりませんので、もし経営状態が悪化していれば少しの賃上げにとどまってしまう可能性もあるのです。

 

この賃上げの施策は、2019年10月から導入されることになるので、消費税増税と同じ時期であることが分かると思います。増税されるということは何かが減税される、または何かの支給が始まるということなので、消費税で増収された分が賃上げの原資として充当されることになります。

 

一部の介護福祉士の待遇は改善することになりますが、勤続10年は期間にすると長いです。そのため、賃上げの対象になることを目指せるような職場に就職することが求められるといえるでしょう。

 

事業所から介護福祉士の資格手当はでない?

介護福祉士は国家資格です。そのため、先に述べたような賃上げの対象になるまで待たなくても、資格を取得することで手当を支給している事業所もあります。

 

実際、半数の介護福祉士が資格手当を受取っていないことが厚生労働省の調査で判明しているのですが、手当をもらっている介護福祉士でも最も多いのは5,000~10,000円未満です。

 

しかし、社会福祉士・精神保健福祉士・介護福祉士の中で資格手当をもらっている人が最も多いのは介護福祉士です。

 

今後は手当を支給する事業所も増えると考えられますが、実際にはまだ少ないというのが実情といえるでしょう。

 

今後介護の現場で活躍が期待される資格

介護福祉士は国家資格ですので、資格を取得していれば利用者やその家族からの信用度が高くなります。もしまだ資格を取得していなくても、資格取得に向けて専門知識を学んでいくことで、介護の現場で働く上での経験や自信に繋がる部分は多々あるはずです。

 

質の高いケアを利用者に提供できれば、事業所にも認められてそこから収入アップに繋がる可能性がありますし、資格を取得すればキャリアアップすることができるので自らのスキルを上げることにも繋がります。

 

なお、介護福祉士の次のキャリアパスには「一般社団法人認定介護福祉士認証・認定機構」が設立・運営している「認定介護福祉士」、「日本介護福祉士養成施設協会」が新しい国家資格として提案している仮名称の「管理介護福祉士」などがあります。

 

これらの上位資格を取得していければ、今後手当などで給料が上がる可能性はあるといえるでしょう。

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