コラム

介護職を目指すなら知っておきたい2018年に実施された介護報酬改定の内容とは?

2019年3月20日

介護保険制度は2000年にスタートしましたが、見直しを3年ごとに行っています。2018年は改定の年だったわけですが、介護職を目指すならどのような介護報酬改定が行われたのか内容を把握しておくことも大切です。

 

今回の改定における目的として、厚生労働省では団塊の世代が75歳となる2025年に向け、それぞれの国民が医療や介護を必要とする状態になっても、状態に応じた適切なサービスを受けられる事としています。

 

質の高いサービスが提供できる体制づくりを推進することを目的としているわけですが、どのような内容なのかご説明します。

 

そもそも介護報酬とは?

まず、「介護報酬」は、訪問介護や施設など事業所の形態によって決められている基本報酬と、その「基本報酬」に対して単位を上乗せ、または減額する単位である「加算(または減算)」があります。

 

単位の上乗せが行われれば事業所に支払われる料金は増えることになりますので、加算されるサービスや取り組みを強化する傾向が高くなるとも考えられるでしょう。

 

介護報酬が改定されたことで、基本報酬自体が引き上げや引き下げられる部分もあり、加算されるサービスなどが新しく設置・強化される部分もあります。

 

2018年の介護報酬改定の内容

前回、2015年の介護報酬の改定では、全体で-2.27%となり、結果として多くの介護事業者が倒産の危機に陥ったり、廃業をやむなく選択するという結果に陥りました。

 

今回の2018年の介護報酬改定では、+0.54%となっているので、わずかですが増えた状態といえます。

 

2018年度の介護報酬においては、

  • 地域包括ケアシステムの推進
  • 自立支援・重度化防止に資する質の高い介護サービスの実現
  • 多様な人材の確保と生産性の向上
  • 介護サービスの適正化・重点化を通じた制度の安定性・持続可能性の確保

という基本的な考え方が軸となっていますので、それぞれの内容を確認しておきましょう。

 

 

地域包括ケアシステムの推進

中重度の要介護者も含めて、誰もがどこに住んでいても、適切な医療や介護サービスを受けることができるようにする体制を整備するという考え方です。

 

今回の改定で実施されたのは、例えば、介護老人福祉施設を例にすると、配置医師が施設の求めに応じて早朝・夜間・深夜に施設を訪問し、入所者の診療を行った場合には単位が加算されるようになりました。

 

さらに、この配置医師緊急時対応加算の体制が整備された介護老人福祉施設で、利用者を看取った場合、加算が強化されるなどです。

 

各種施設でのサービスも、口腔衛生管理加算の見直しや、介護職員が栄養スクリーニングを行ってケアマネジャーに対し、その情報を文書で共有すれば加算されるケースなど、サービスの質を向上させることを目的とした加算が新しく設置されています。

 

自立支援・重度化防止に資する質の高い介護サービスの実現

この考え方の目的は、介護保険の理念や目的を踏まえた上で、安心・安全に自立支援や重度化防止に向けた質の高い介護サービスを実現することです。

 

そこで、リハビリテーションの面積や人員の要件が緩和され、リハビリ計画書の様式を互換性のあるものにするといった見直しがされています。

 

例えば特別養護老人ホームや有料老人ホームでは、外部の通所リハビリテーション事業所などのリハビリ専門職や医師が訪問を行い、共同でアセスメントを行って個別に機能訓練計画等を作成すると加算されるという仕組みです。

 

施設サービス全般で共通しているのは、多職種が連携して排泄介助が必要であることの原因などを分析し、その上で支援計画を作成して支援を実施すると、一定期間、評価が高くなります。

 

多様な人材の確保と生産性の向上

人材の有効活用や機能分化、ロボット技術などを使った負担軽減など、各種基準の緩和を通じて効率化していくことを目的としています。

 

生活援助を行う人材を確保するため、新たな研修カリキュラムが創設されました。

 

また、特別養護老人ホームでは、介護の質を保証し介護職員の負担軽減のために、夜間配置する最低人員数が設定されています。

 

この最低基準より多く人員を配置すると加算の対象となりますが、その要件に見守り支援ロボットなどの導入も加わりました。

 

ロボットを導入することで介護が効率的に提供されるようになれば、介護職員の勤務時間も抑えることができるなど、様々なメリットが考えられます。

 

介護サービスの適正化・重点化を通じた制度の安定性の確保

この項目では、福祉用具貸与の価格の上限が設定され、集合住宅居住者への訪問サービスに関する減算が拡大されています。

 

見直しになったのは、建物の範囲で、これまでの有料老人ホーム以外でも対象となっています。また、減算幅についても、1か月あたりの利用者数が50人以上であれば15%減算となりました。また、定期巡回や随時対応型訪問介護看護も減算幅が拡大されています。

 

介護の担い手への重要は高まるばかり

今回の介護報酬改定は+0.54%でしたが、今後、この割合が大きく伸びることは期待できないといえます。それでも医療や介護が連携することの必要性は高まっていくでしょうし、介護職の一部が医療行為に参入することも考えられます。

 

介護職の専門性はどんどん高められていく一方で、専門職ではない介護の担い手を拡大することも求められている状況なのです。

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