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介護を必要とする方が今後は増加!今の日本が介護について抱えている問題点とは?

人生100年時代と呼ばれるようになり、日本人の平均寿命も長くなっています。めまぐるしい医療技術の発展などにより、多くの方が長生きできる状況となったことはとても喜ばしいことである反面、健康寿命は横ばいが続いているので介護を必要とする高齢者が今後増え続けることが予想されます。

 

ただ、日本は高齢化と同時に少子化も進んでいるので、今後、介護を担う人材はますます少なくなるといった問題点も抱えている状況です。

 

いつ親や配偶者の介護を行うことが必要になるかわかりませんし、自分自身が介護を受けなければならなくなるかもしれない状況の中で、どのように介護という分野に向き合っていけばよいのでしょう。

 

今後は老老介護が増加する?

超高齢化社会に突入した日本で、人生100年時代をどのように生きるべきか考えていくことになりますが、もし45歳で70歳の親の介護が必要になったとしたら、親が100歳になる頃、自身は75歳です。

 

その頃には今度は自分が介護を必要とする状態になっているかもしれませんし、介護を必要としなくても高齢者が高齢者の介護を行う老老介護という状況となってしまいます。

 

介護は介護を行う側、受ける側、どちらにも心身に負荷がかかり、さらに経済的にも負担となることが多く、それが介護疲れや介護うつといった事態を招きやすくさせるのです。

 

もし在宅で介護を続けようと思うのなら、無理のない範囲で行い、できない部分は介護サービスなどを利用して負担のかからない方法を取ることが必要になるといえるでしょう。

 

在宅で介護を行う方は大きなストレスを抱えている?

介護を行う方の7割程度は、介護について何らかの悩みを抱えているものですが、1日に介護に割く時間が多ければ、気が休まることがない状態にとなってしまいます。

 

不安やストレス、悩みの大きさは人それぞれでしょうが、要介護度が高くなればそれらも大きくなるでしょうし、1日に介護を行う時間や期間が長くなればだんだんと介護者が疲弊してしまうものです。

 

介護疲れが慢性化してしまえば、介護を行う側も受ける側も共倒れする可能性があります。現在は高齢者に対する介護は社会全体で支えようという動きが活発化されていますので、もし在宅での介護に対する悩みや不安、疲れなどを感じている方がいるのなら、抱え込まずに誰かに相談することが必要となるでしょう。

 

 

相談したくても誰に相談すればよいかわからない…

介護に対する悩みや不安などを誰かに相談したくても、誰に相談すればよいかわからないという場合もあるかもしれません。

 

例えば配偶者や親の介護を行っていることで、常に介護に時間を割かれ孤立しがちとなっており、他人と触れ合う時間が少なくなっている方もいることでしょう。

 

ただ、このような場合でもケアマネジャーや地域包括支援センター、自治体の高齢者福祉課などで相談を受け付けていますし、民間にも無料で相談できる窓口はあります。

 

相談することでもっと早く相談して介護サービスなどを併用すればよかったと感じることもあるでしょうし、負担が大きくなっている部分が解決されることもあるので、積極的に相談やコミュニケーションを取ってもらうことが必要と考えられます。

 

すでにサービスを利用している場合でも…

すでに介護保険サービスを利用している場合でも、現状のケアプランが適切な内容でない場合もあります。

 

介護保険サービスはそもそも介護を受ける方を第一に考えて利用するものではありますが、その方に介護を行う方の負担を軽減させることも目的に含まれています。

 

介護を受ける方だけでなく、介護を行う方の状態も変わる可能性はありますので、今どのような介護が負担になっているのか現状を把握し、ケアマネジャーが相談にのってケアプランを見直すといった流れが必要になります。

 

医療依存度が高い場合は在宅介護に無理が出てくる?

在宅で介護を続けることは、介護を受ける方にとってこれまでと生活環境を変えることなく、住み慣れた家で生活を続けることができるといったメリットがあります。

 

突然生活を送る場所や環境が変わってしまうと、介護を必要とする側にとっては環境変化がストレスとなり、家族と離れて生活するさみしさなども感じてしまいがちです。

 

ただ、在宅での介護が難しい状況の中、無理に続ければ介護を行う側にはかなり負担が大きくなってしまいますので、このような場合には介護施設への入所を検討することも必要と考えるべきでしょう。

 

介護施設であれば24時間体制での見守り体制が整備されていますし、医療依存度や要介護度が高い方へのケアも手厚く受けることができます。

 

在宅医療サービスを行っている病院も多いとはいえない状況なので、特に医療依存度が高い方の場合には在宅介護は厳しい状況といえるでしょう。

 

介護を受ける側と行う側どちらも幸せになるために

施設に入所させることに罪悪感があったり、親不孝になるのでは…といった考え方ではなく、介護を受ける方が適切な状況でケアを受けることができる環境を整備することの重要性について考えるべきなのです。

 

介護を受ける側と行う側、どちらも生活の質を向上させるためには、介護サービスがさらに有効に活用できる環境が整備されることが必要となるでしょう。

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