コラム

介護業界に深刻な人手不足をもたらす2025年問題とは?

日本国内の企業で課題として挙げられているのが「人手不足」の問題です。業種を問わず、人口減少に伴って今後は働き手が不足することが予想されます。

 

特に介護業界の人手不足は深刻な問題として取り上げられることが多く、少ない人員で現場の対応に追われるといった状況も少なくありません。

 

人手不足の状態が慢性化してしまうことによる負の連鎖で、介護スタッフ一人ひとりの負担はさらに重くなり、事業所自体も運営を続けることが難しい状況へと追い込まれることになってしまいます。

 

このような状況を何とか回避しようと、国も色々な対策を講じてはいますが、まだまだ解決に至るとは言い切れない状況です。

 

懸念される「2025年問題」とは?

日本ではデフレ不況などが影響したことで少子化が長期的に進み、人口は2008年をピークとして減少が続いています。

 

その一方、総人口に対する65歳以上の高齢者人口は上昇傾向にあるのは、医療分野の成長による平均寿命の伸長などが関係すると考えられますが、総人口における高齢者の比率も2025年には30%、2040年には35%を超えるとも想定されています。

 

さらに経済産業省では2035年に要介護認定者数は960万人にのぼると予想しており、620万人だった2015年から20年の間に340万人の増える計算です。

 

介護を求める人はだんだんと増え続けると考えられる中、人材供給は悪化するという状況なのです。

 

今後、国が推進している「一億総活躍社会」と「介護離職ゼロ」が達成されたとして、2035年には需要と供給の差が79万人になるとされています。

 

第一次ベビーブームの時代に生まれた「団塊の世代」が75歳以上の後期高齢者となることで起きると言われている2025年問題はあくまでも通過点にすぎず、今後はさらに進む介護人材への需給ギャップをどのように解消していくのか検討し続けていなければなりません。

 

2025年問題を解決するために考えられる対策

通過点に過ぎないと考えられる2025年問題。しかしこの問題を乗り越えなければ、その先に待ちうけるさらなる問題に対応することはできません。

 

2025年に後期高齢者の人口は約2千200万人にまで膨れ上がることが予想されており、その数は国民の4人に1人は75歳以上になるという計算です。それに加え、生涯独身を貫く方や晩婚化などが進み、ますます少子化も進んでいます。

 

多くの高齢者を少ない現役世代で支えるしかない状況は、経済的な問題はもちろん介護現場でも起きてしまう状況です。

 

介護ギャップを埋める対策として考えられるのは、高齢者に社会へもっと積極的に参加してもらうこと、就労を推進していくことなどがまず第一、さらにAIやITなどを導入して人材不足による現場負担を軽減させることなどでしょう。

 

要介護認定者の対象人数はできるだけ抑制し、現場負担を軽減させて効率を高めることで対応することを検討する必要があるのです。

 

 

外国人労働者に頼ることができなくなる?

この高齢化が進んでいるのは日本だけの問題ではなく、先進国全般の課題となっています。顕著化しているのは日本ですが、韓国や台湾、中国などでも高齢化の波が押し寄せ、現在は発展途上国として成長段階にある東南アジア諸国も数十年経てば高齢者人口の比率が高まることになるでしょう。

 

介護現場で不足する人員を確保しようと、外国人の受け入れなども検討されていますが、日本以外の国でも同様に高齢者が進んでいることを考えれば、外国人労働者の受け入れも簡単ではなくなります。

 

しかし現在、日本国内だけでは介護人材不足を解消することには限界があると考えられており、介護分野への技能実習生受け入れも開始され、特定技能資格が新設されました。

 

外国人労働者が日本で介護スキルを身につけ、自国に戻ったときにそのスキルを活かし増加する高齢者に対する介護ケアを行える様になることが本来の目的ですが、今後はその外国人労働者にも頼れない状況になるとも考えられるのです。

 

介護以外にも様々な分野で…

高齢者は若い世代の方よりも病院に行く頻度も高く、医療費の保険給付金額も今後は増えていくことが予想されます。また、病院や医師の不足も問題となり、医療や介護のサービスの提供も十分とはいえない状況になることが予想されるのです。

 

そもそも2025年問題では、現在の年金制度では国の財源も成り立たず破綻するといわれているのは、現役世代が納めた年金保険料をそのまま高齢者に年金として給付する賦課方式だからです。

 

医療や介護、年金など、様々な問題を抱えている日本ですが、その問題が最も現実のものとなってあらわれるのが2025年です。

 

日本を支えてきた世代が安心して生活できるように

ただ、この2025年問題の主役となる団塊の世代の方たちは、それまで必死の思いで働き、日本を支えてきた世代でもあります。その団塊の世代の方がリタイアして年金でのんびり生活できる年齢となってから、年金支給開始年齢の引き上げや支給額の減額など、納得できない制度へと変更されているのも事実です。

 

国は地域包括ケアシステムの見直しや、公費負担の公平化、そして介護人材の確保など様々な対応策を検討しています。

 

ただ、介護人材不足への具体的な解決には繋がっておらず、今後もさらに社会や地域ぐるみで取り組んでいくことが必要となるでしょう。

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