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介護施設で利用者と家族の面会制限は緩和!ただし要件をクリアすることが必要

新型コロナウイルス感染症の感染拡大を予防する上で、介護施設でも面会を制限する措置やオンライン面会などの導入など、様々な対策を行っています。

 

そもそも厚生労働省が介護施設での家族の面会を制限する方針を出していたことも関係しているのですが、2020年10月15日、この面会制限については感染防止策を徹底するといった条件つきで緩和することが通知されました。

 

面会緩和にはいくつか要件がある

厚生労働省が都道府県や介護関係団体に行った通知によると、地域での新型コロナウイルス感染症の発生状況や都道府県などの対策方針を踏まえて、施設側が制限の程度を判断することとされています。

 

さらに面会緩和の要件として、まず感染対策として面会に施設を訪れた家族にはマスク着用や面会前後の手指消毒、飲食や大声で会話することなど控えることを求めることとしています。

 

そして寝たきりや看取りの面会でない場合には、換気を可能とする別室で面会することなども要件とされています。

 

他にもできる限り面会に訪れた家族には介護施設内のトイレを使わないようにしてもらうこと、面会時間や面会回数にも制限を設けるといったことも必要としているので、従来のような自由な面会というわけにはいきません。

 

オンラインで行う面会も選択肢として考慮することも求められています。

 

なぜ介護施設の面会が緩和されることに?

新型コロナウイルス感染症が介護施設で拡大してしまうと、利用者は重篤化しやすい高齢者ばかりのため生命が脅かされる問題が発生してしまいます。

 

そのリスクをできる限り抑えるため、看取りなど緊急の時を除いては、面会を制限するようにとされていました。

 

しかし認知症の方たちを支援する団体や介護従事者から、利用者が家族と面会できないことで認知機能が低下するといった不安の声もあがっていたようです。

 

さらに感染状況は地域によって大幅に異なるため、一律で家族同士のつながりを絶つことが利用者やその家族に厳しい措置だということも指摘されていました。

 

そこで国は、これまで介護施設などに求めていた面会制限を緩和させることとしたのですが、まだ新型コロナウイルス感染症は収束したわけではありません。

 

引き続き慎重な対応を必要とし、利用者と親族がコミュニケーションを取ることで利用者の心身にポジティブな影響を与えられればとしています。

 

面会については介護施設側で実施するか判断するルールとされていますが、来訪者を受け入れる時の条件や手順は提示されているので守るようにしましょう。

 

なお面会制限緩和後も、厚生労働省ではビデオ通話などを使ったオンライン面会を引き続き推奨しています。

 

オンライン面会なら補助金が交付される

新型コロナウイルス感染症対策としてオンライン面会を導入した場合、自治体によっては介護施設に補助金を交付する制度などもあります。補助金交付の対象となる施設や経費、補助率や補助限度額などは自治体によって異なるため確認が必要ですが、いずれにしても新型コロナウイルス感染拡大が収束していない状況のため、リスク低減のためにオンライン面会をメインに行ったほうが安心と考えられます。

 

 

介護施設の面会制限レベルの設定

介護施設内の利用者が安全でいることができるように、面会制限のレベルを設定している事業所もあります。

 

新型コロナウイルス感染症の新規感染者数や拡大傾向などにより、どのような面会制限レベルを設定するかは異なってくるでしょう。

 

ただ地域のインフルエンザや感染性胃腸炎など流行性ウイルス感染症などの流行レベルを参考に、感染を拡大させない設定が必要です。

 

たとえば次のような面会制限レベルの設定などが方法として挙げられます。

 

レベル0=面会制限なし

伝染する感染症の流行が見られない場合には、面会の制限や面会に条件は設けられません。ただし原則として、体調の悪い方や発疹の出ている方などは面会禁止となりますし、手洗いや手指消毒といった手指衛生は徹底することとなります。

 

レベル1=マスク着用と手指衛生を徹底させる

地域(都道府県)で伝染するような感染症の発生が確認されている時には、面会の制限・条件としてマスク着用と手指衛生を徹底させることとなります。

 

レベル2=面会者の体調確認を必要とする

地域(都道府県)で伝染する感染症発生が確認されており、感染者増加に関して注意報が出ている場合には、面会の制限・条件としてマスク着用と手指衛生に加え面会者の体調確認をすることになります。

 

レベル3=面会制限

(ご家族のみ可)

地域(都道府県)で伝染する感染症発生が確認され、すでに増加傾向にあり警報が出ている場合には、施設内で感染防止対策や制限が必要になります。

 

そのため面会は利用者の家族のみ(15歳以下の方は不可)可能とし、面会時間も手短にしてもらうことが必要です。

 

面会者の体調確認や体温測定などの実施も行いましょう。

 

レベル4=面会禁止

感染症が施設内で流行している場合や、感染対策として制限が必要と判断された場合には、原則として面会は禁止となります。

 

特別な事情がある場合などは許可を得た時のみ可能としても、体温測定などは実施することが必要です。

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