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介護現場のレクリエーションはなぜ必要?期待できる4つの効果とは

介護を必要とする方がより良い老後を送るためには、心身の健康を維持・向上させていくことが必要となりますが、その方法の1つとしてレクリエーションがあります。

 

介護サービス提供事業者などで実施されるレクリエーションは、利用者の気分転換などにおこなわれるだけのものと考える方もいるようですが、実は様々な効果が期待できる取り組みです。

 

そこで、介護施設やデイサービスなどのレクリエーションはどのような効果が期待できるのか、その内容について説明していきます。

 

介護現場でレクリエーションを行う目的

介護現場が利用者にレクリエーションを提供する目的は、利用者に心身機能を向上させるためです。

 

主にレクリエーションとして行われる内容は、楽しく行うことができる運動や、軽く身体を動かすもの、認知能力のトレーニングなどで、負担が大きなものは行われません。

 

楽しみながら取り組みを続け、身体的・精神的な健康を目指すことができます。

 

ゲームや遊び感覚でできるレクリエーションを行うことで、楽しみや生きがいにつなげることもできるでしょう。

 

レクリエーションで期待できる4つの効果

利用者がレクリエーションに取り組むことによって、心身によい刺激を与え、健康な老後を送りやすくなります。

 

介護施設がケアの1つとしてレクリエーションを取り入れることにより、主に次の4つの効果が期待できます。

 

脳機能の維持・改善

レクリエーションに思考力のトレーニングや認知機能向上につなげることのできるゲームなどを取り入れれば、脳機能の維持・改善が期待できます。

 

  • 簡単な計算などを使うゲーム
  • ことわざなど言葉を使うクイズ
  • 指先などを使う折り紙などの遊び

 

などは、利用者が楽しみながら取り組むことができ、できたときの達成感も得ることもできます。

 

脳の活性化や認知症予防につなげることができるのは大きなメリットです。

 

高齢になって判断力や注意力などが低下してしまえば、トラブルや事故などにつながることもあるため、脳機能の活性化を促すことはとても大切なことといえます。

 

 

身体機能の活性化

簡単な運動や楽しく身体を動かすリズム体操などをレクリエーションに取り入れることにより、脳だけでなく身体機能も活性化させることができます。

 

高齢になって身体の動きが鈍くなれば、だんだんと身体を動かしにくくなるでしょう。

 

しかしそれを理由に身体を動かす機会が減ってしまえば、より筋力は衰えてしまいます。

 

高齢者の場合、1週間寝たきりの状態が続けば、10~15%の筋力が低下してしまいます。たとえば骨折などを原因に入院し、退院後はADL(日常生活動作)が低下していたというケースはめずらしくありませんが、これは筋力の低下も大きく関係しているといえるでしょう。

 

日常生活の動作だけでは不十分なことも多いため、身体を動かすことのできる機会をレクリエーションで提供し、利用者の身体機能の維持・向上に向けた取り組みを行っていきましょう。

 

高齢になるといろいろなことが面倒だと感じやすくなり、意識しなければ運動する機会はより減少してしまうことも踏まえておくことが大切です。

 

コミュニケーション能力の促進

レクリエーションは利用者単独で行うのではなく、複数人で行うものが多いため、コミュニケーション能力を促進する上でも必要なことといえます。

 

同じように介護施設を利用している利用者同士が交流することで、コミュニケーション能力の維持・向上の効果が期待できます。

 

心身が老化することでだんだんと身体を動かしにくくなり、外出の機会や意欲が減ってしまっている方も少なくなりません。

 

特に一人暮らしの高齢の方などは、外出の機会を失い、社会とのつながりを持たなくなりがちです。

 

その結果、コミュニケーション能力を低下させ、引きこもりやうつ病など発症する認知機能低下にもつなげてしまいます。

 

レクリエーションによる利用者同士のコミュニケーションは、それぞれの利用者には大きな刺激となり、交流を持つことに対する楽しみや生活のハリにつなげることもできるでしょう。

 

コミュニケーション能力が向上すれば、家族との関係を良好に保つことができるようになるでしょうし、一人暮らしの高齢者なら被害に遭いがちなオレオレ詐欺などに騙されるリスクを回避することにもつながります。

 

ADL(日常生活の動作)とQOL(生活の質)の向上

身体機能向上を目指すためのレクリエーションを開催することで、ADL(日常生活の動作)やQOL(生活の質)を向上させることができます。

 

脳機能や身体機能を活性化させることができれば、だんだんとコミュニケーションの機会を増やしたいと考えるようになり、生活の質も高まっていくことでしょう。

 

そもそもQOLとは、生きる喜びや楽しみを日々の生活でどのくらい見出すことができているかという概念であり、介護現場に求められる重要な考え方です。

 

利用者の尊厳を保ちつつ、健康に楽しく生活してもらうためには、どちらも欠かすことのできないことと理解しておきましょう。

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