コラム

介護現場における臥床介助とは?具体的に何に注意して行うべきことか

介護の現場では似たような言葉が飛び交うこともあり、その意味を何となく理解できているつもりでも実はまったく異なったことを示す言葉だったということもあるようです。

 

たとえば、起床介助、離床介助、就寝介助、臥床介助など、どれも同じでは?と思ってしまいそうな言葉もありますが厳密には違いがありますし、そもそも臥床(がしょう)という普段使わない言葉に困惑してしまうこともあるようです。

 

そこで、介護現場におけるこれらの意味の違いや、何を示したり指している言葉なのかご説明します。

 

起床介助とは朝起きる手伝い

朝、決まった時間に目を覚ましてもらうための声掛けから、体調のチェック、洗顔、排泄、着替えなどの介助など一連のサポートが起床介助です。

 

離床介助はベッドから離れる手伝い

ベッドから離れるためのサポートを行うことで、起床介助の体を起こす動作のことを指していることもあれば、ベッドから起き上がってトイレや浴室まで移動する手伝いを行うことも離床介助といいます。

 

就寝介助と就寝のための手伝い

夜、就寝時間になるとベッドに横になりますが、その前に行う歯磨きや排泄、着替えなどの介助が就寝介助です。

 

臥床介助は床について横になる手伝い

ベッドに横になって寝るための動作を手伝うことですので、夜の就寝時間だけでなく、寝たきり状態の方がトイレや浴室から戻りベッドに寝てもらう時のサポートも含まれます。

 

起床介助の1つに離床介助を含み、就寝介助の中に臥床介助も含まれると考えてよいでしょう。

 

朝起きた時の介助は起床介助であり、夜寝る前の介助は就寝介助、その他、ベッドから身体を起こすためのサポートは離床介助で、反対に起きた身体をベッドに寝かすための支援は臥床介助ということです。

 

介護現場によっては、就寝に関係する介助に含まれるかによって使い分けている場合もあるようなので、施設ごとの言葉の使い分けに慣れるようにしましょう。

 

 

介護現場での臥床の体位

臥床とは床につき寝ることを指していますが、寝たときの姿勢を臥位といいます。この2つの言葉はいずれも医療や介護の現場で頻繁に使われる言葉ではありますが、日常生活ではあまり馴染みがないかもしれません。

 

介護現場では、利用者を1日に何度かベッドから起こす離床介助を行うこともあれば、反対にベッドに寝かす臥床介助も必要です。

 

ベッドに寝た状態が臥床ですが、利用者自身が体位交換を可能とする場合でも、ずっと同じ姿勢のままで横になっていれば腰痛が起きたり、床ずれや褥瘡を発生させてしまう可能性があるので、より良い臥位が求められます。

 

利用者自身で寝がえりすることができない場合、定期的に体位交換することが必要となりますし、すでに褥瘡ができているのなら臥位の位置や角度も変わります。

 

そこで、臥位にはどのような種類があるのか事前に把握しておくようにしましょう。

 

仰臥位・背臥位

腹部や顔は上向きという仰向け状態で下肢を伸ばした臥床姿勢のことを指します。

 

腹臥位

腹部を下にした状態でうつぶせの姿勢を指し、上肢や下肢のいずれかを曲げて横になることで、リラックスできる姿勢を保つことができます。

 

側臥位

横向きの状態で寝た姿勢を指しており、真横になると安定性が損なわれたり、片腕が圧迫された状態になるので、前に上肢を引き出して除圧することが必要です。安定性を保つために、背部にクッションなど添えるとよいでしょう。

 

判側臥位

横向きの状態で寝た状態ですが、体幹の傾斜角度は45度前後であることが特徴です。褥瘡ができることを防いだり、すでに褥瘡ができている方の背部や仙骨部などの除圧を目的として保つ姿勢ですが、枕やクションなどを上手く使いましょう。

 

背殿位

腹部の緊張を取ることができる姿勢で、仰向けに膝を立てた状態となります。腰痛を防ぐ効果も見込めます。

 

半腹臥位

横向きの状態となり、抱き枕に覆いかぶさる形の姿勢なので、リラックスできます。

 

屈強側臥位

エビのように身体を丸めた状態なので、自然に安静を保つことができる姿勢です。

 

臥床状態が続くことによるリスク

病気やケガなどで安静にすることが求められる場合など、寝たきりの状態になってしまうこともあります。ただその場合、動かないことで心身機能を低下させる生活不活発病や、認知機能の低下による認知症などを招く可能性もあります。

 

全身の筋力なども弱り、体力も低下してくる上に、寝たきりとなる方が高齢であればさらに機能が低下する進行度は早めです。

 

そのため、ベッドの上でもリハビリを行い、早期に離床を促すなど、寝たきりによる機能低下予防も重要となるでしょう。

 

介護現場で使われる言葉の意味はしっかり理解しておくこと

介護の現場ではいろいろな介助が必要となりますが、あまり普段耳にすることのない臥床介助についても理解を深めておくことが必要です。介護の現場で他にも似たような言葉が使われることがしばしばあり、もしそれぞれの意味が理解できていなければ適切な介護ができなくなる可能性があります。また、施設によって言葉の使い分けが異なる場合もありますので、ベテランのスタッフなどに不明な点はしっかりきいて確認しておくことも必要です。

-コラム

© 2018 介護パートナーズ