コラム

介護施設でユニットケアを実践する上で必要なこととは?

2020年3月25日

介護を必要とする方がある日突然施設に入所することになった時、これまでと異なる場所や生活スタイルなどに戸惑うことになってしまいます。

 

そこで、介護施設を利用する方それぞれの個性や生活リズムを大切にし、限りなく自宅に近い環境で個別ケアを実施することにより、利用者それぞれの自立を尊重することができます。

 

この考えにより生まれたのが「ユニットケア」です。

 

具体的に介護施設で行われるユニットケアとはどのような内容なのか、その中身をご説明します。

 

介護施設で行われるユニットケアとは?

介護施設で行われるユニットケアは利用者の自宅に近い環境の中、他の利用者や介護スタッフと共同生活を送ることになります。10人以下の少人数グループが1つのユニットという生活単位となり、それぞれのユニットごとに共有スペースなどが設けられ、利用者は個別の居住空間で生活できます。

 

家族が家で暮らす時にもそれぞれが部屋を持ち、食事や団らんの時間にはリビングに集まることになりますが、ユニットケアではそのように普通の家族スタイルのような形で生活を送りながら必要なサポートが行われます。

 

利用者はユニットケアの中でどのような生活を送る?

個人の生活スタイルを尊重することになるので、共有スペースでは他の利用者や介護スタッフとともに時間を過ごすこととなり、部屋は全室個室となりプライバシーも守られます。

 

特別養護老人ホームなどで行われるユニットケアでは、365日24時間体制で見守りが行われるため、安心・安全な介護サービスが実現される上に、利用者それぞれが心身に負担をかかえにくい環境が整備されているといえるでしょう。

 

ただ、新しく開設されている特別養護老人ホームなどでも、ユニットケアが導入されているのは全体のまだ3割程度にとどまっているのが現状です。

 

ユニットケアの目的とメリット

ユニットケアが大切にすることは、もし介護が必要になってもごく普通の生活を送ることです。朝の起床から始まり、整容、食事、入浴、排せつなどの暮らしにおける行動で必要な部分はサポートし、就寝に至るまで他の利用者とのコミュニケーションや活動なども行われます。

 

これまでの生活と変わらないよう、利用者のペースで日々を過ごすことができるようなサポートを行うことが目的です。

 

利用者によって、これまでその方が大切にしてきた生活に対するこだわりや習慣もあるでしょう。それらをすべて取り上げてしまうのではなく、尊重した上でケアを実施していきます。

 

もし寝たきり状態だとしても、自分で決めることやできることは尊重しながらサポートする形です。大人数に対し一度にケアを行うのなら叶わないことでも、ユニットという少人数の単位だからこそ、様々なサインや兆候に気がつくことができ希望に添うケアが可能となるのです。

 

 

ユニットケアを実践する上で必要なこと

ユニットケアを実践していくためには、環境と暮らしのサポート、そして施設運営の中の仕組みを作ることが必要です。

 

ユニットケアのための環境づくり

介護施設で生活する方にとって、その場所が普通に暮らすことができる家と認識してもらうには、施設内だけでなく地域の中で生活していると感じてもらえる環境づくりが必要です。

 

そのために利用者それぞれの空間に見合う暮らしを組み立て、他の利用者や介護スタッフ、施設を訪問する家族や地域の方たちとの豊かな関係を築くことが必要といえるでしょう。

 

そのため開かれた施設として、地域の方たちが気軽に立ち寄ることができる雰囲気づくりも必要となります。

 

暮らしのサポートで重視したいこと

利用者の方たちがこれまでどのような生活を送ってきたのか、こだわりや習慣などを理解し、生活のリズムに沿ってケアを実践することが必要となります。

 

例えば朝の起床だけ取っても、利用者それぞれの起床時間に合わせながら朝食を用意したり、気持ちよく目覚めてもらうために何が必要か考えたりなど、一日を快適に過ごしてもらうために必要なことを考えていくこととなります。

 

利用者全体の日々の流れにも考慮しながら、それぞれが主体となれるケアを考えていくことが必要となるでしょう。

 

施設運営の仕組みづくりが重要に

介護施設は、介護スタッフもいれば看護師や医師、理学療法士などリハビリ専門スタッフなど、様々な分野の専門職の方が集まって構成・運営されることになります。

 

それぞれの分野で各専門スタッフが、自らの知識や技術、能力を存分に発揮できることが必要ですが、そのためにはそもそもの施設の運営方針や理念を理解してもらえるよう正しく伝達することが必要です。

 

そして分野単位のみで情報を共有するのではなく、異なる分野の専門スタッフもそれぞれの利用者に関する情報を共有できるように、記録や申し送り、ミーティングなど情報を共有できる方法や場を設けることも求められます。

 

施設で働くスタッフそれぞれの自立と組織力が必要となるので、運営に対しての工夫や仕組みづくりがユニットケアを実践する上で重要なポイントとなるといえるでしょう。

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