コラム

あなたは何個知っている?介護現場でよく使う用語

介護現場で同業者が知らない言葉を使っていたという経験はないでしょうか?

介護の現場では、日常生活であまり使わない言葉や用語がたびたび使われることがあります。そのため、はじめて介護業界で働く方などは混乱しがちです。

介護記録への記載やケアプランに目を通す上で、知らない用語などがあれば介護ケアに支障をきたすこともあります。そのようなことがないように介護現場で使われる用語を確認しましょう。

 

緊急事態をしらせる「 異食 」という用語

異食とは、食べ物ではないものを口に入れたり、飲み込んだりしてしまう認知症行動のひとつになります。

介護現場を取り上げた民放ドラマでも、高齢者の方が花瓶の中の水を飲んでしまって現場は騒然となるシーンがありました。

このドラマは実際にドラマ脚本家取材を受けた介護士の方がおり、その方によると実話だと発言されています。

異食は、主に認知症の中期以降にみられる症状となります。判断力の低下、不安やストレスが大きな要因になると言われています。特に、危険物を飲み込んだ場合は緊急的な処置が必要になるので知っておいた方がよいでしょう。

 

近年増えてきている「 ユニットケア 」という用語

ユニットケアとは、「ユニットケア」とは、自宅に近い環境の介護施設において、他の入居者や介護スタッフと共同生活をしながら、入居者一人ひとりの個性や生活リズムに応じて暮らしていけるようにサポートする介護手法のことを言います。

ユニットケアは、10人程度の少人数のメンバーを1つのユニットとして、固定されたメンバーとスタッフでケアが行われるという新しい介護スタイルです。

最大の特徴は、入居者個人のプライバシーが守られる「個室」と、他の入居者や介護スタッフと交流するための「居間」(共同生活室)があることです。

ユニットケアが取り入れられている施設は、特別養護老人ホームがほとんどですが、現在は介護老人保健施設をはじめとしたさまざまな施設においてユニットケアの導入が進められています。

利用者との会話の話題になる可能性が高いので知っておいた方がよいでしょう。

 

介護現場で使うことが多い「 トランス介助 」という用語

「トランス」とは移動・転送を意味する用語である「transfer(トランスファー)」を省略した言葉です。

介護業界で用語として使われている「トランス介助」とは、ベッドから車椅子への移乗や車椅子からトイレの便器に移乗することなど、乗り移ることを意味しています。

利用者の足腰が弱くなっているときや、半身などマヒ状態にある場合には、この乗り移る動作で転倒や転落してしまうリスクも高くなるため、トランス介助が重要となります。

トランス介助を行う場合には、車椅子にストッパーをかけ利用者の安全に細心の注意を払うことが求められます。

介護スタッフ自身も、無理な体勢で腰に負担をかけないようにするなど、合理的に介助できるような方法を把握しておくことが必要です。

そこでトランス介助では、対象者にできるだけ近づき、足を開いた状態で立ち重心を低く保つことが基本の姿勢となります。

利用者の立ち上がりや座位に移す場合には、膝を使えば腰にかかる負担を軽減させることができます。

 

必要な基本動作を示す「 ADL 」という用語

「ADL」とは「日常生活動作(Activities of Daily Living)」を省略した用語であり、日常生活で必要となる基本動作を意味しています。

たとえば起床・衣服の着替え・食事・排せつ・入浴・就寝、そして移動などで必要となる動作です。

「IADL」という似た用語もありますが、これは「手段的日常生活動作(Instrumental Activity of Daily Living)」を省略した用語です。

基本的動作で行う複雑な日常動作のことであり、買い物・洗濯・電話・金銭や薬の管理・交通機関利用での外出などが該当します。

「ADL」は認知症のスクリーニングや介護認定など、身体活動能力や障害レベルを図る上での指標としてその評価が用いられます。

 

書類作成の際に使用する「 ケアプラン 」という用語

ケアプランとは、介護サービスをどのように利用するかを決めた介護計画書のことを言います。これは、要支援や要介護認定を受けた高齢者が、適切な介護保険サービスを利用するために作成します。

どのような介護サービスをどの方法で受けることで生活の質を向上させることができるのか、利用者それぞれの心身状態や家族の状況なども踏まえた上で検討していかなければなりません。

様々なサービスを組み合わせた介護の計画書であり、利用者本人やその家族が作成することもできますが、給付限度額やサービスの種類・内容に詳しいケアマネジャーに依頼されることが一般的といえるでしょう。

ケアプランの作成で重要となる「 アセスメント 」という用語

介護サービスを提供するにあたり、利用者の生活環境や病状などを把握し、理解することは大切なことです。

利用者が何を求め、どのようなケアを必要としているのか課題を整理していくことが求められますが、これをアセスメントといいケアプランを作成する上でも重要となります。

利用者本人からだけでなく、その家族や診察した病院の医師や看護師などからも情報を収集し、もっとも適切といえる介護サービスを提供できるケアプランを作成することが必要です。

 

まとめ

介護の現場で使用される用語についていくつかピックアップしてご紹介しました。

この他にも専門用語はまだまだあります。

知らない用語が出てきたときはメモをして後からネットで検索してひとつずつ覚えていけるといいですね。

-コラム

© 2018 介護パートナーズ