コラム

介護士の立場から見た介護現場の24時間

 

高齢者や障がい者といった支援が必要な方々の生活を支えるのが介護士です。介護現場で果たす役割は決して日勤のみではなく、夜間も含めた24時間体制で展開されています。そこで今回は、介護士の立場から見た介護現場の日常に焦点を当て、朝から夜までの一日を通してどのような業務や責任があるのかをご紹介します。

朝の始まり

朝は介護士にとって非常に重要な時間帯です。入居者や利用者の起床支援は、その人の日常生活において一大イベントとなります。身体の動きが鈍くなっている方にとって、ベッドからの移動は大きな困難を伴うことがあります。介護士は慎重かつ丁寧な姿勢で、リフトやベッドサイドレールを活用しながら、安全かつ快適な起床をサポートします。

入浴介助もこの時間帯に行われることが一般的です。入居者や利用者の体調や個々のニーズに合わせた入浴プランが組まれ、介護士は温かい雰囲気と共に入浴をサポートします。同時に、介護士は入浴中に体の異常や変化に気づくことができ、早期の対応が可能です。

朝食の準備と提供も介護士の重要な業務の一環です。特に食事制限やアレルギーのある方々に対しては、栄養士と連携しながらバランスのとれた食事を提供する必要があります。朝食の時間は、コミュニケーションの場となり、入居者や利用者との日常会話や様々なニーズに応じたサポートが行われます。

医療の連携も欠かせません。医師からの指示に基づき、服薬のサポートや健康チェックが行われます。これにより、入居者や利用者の健康状態をモニタリングし、必要に応じて医療機関と連携して適切な対応を取ることができます。

 

昼の活動

昼には、入居者や利用者が心身ともに活動的になる時間帯です。レクリエーションやリハビリテーションなどが積極的に行われ、日常生活の質を向上させることが目標とされます。入居者や利用者の興味や趣味に合わせたアクティビティが提供され、コミュニケーションの促進や認知機能の維持向上が図られます。

食事や排泄のサポートもこの時間帯に継続されます。特に、食事は栄養摂取の面だけでなく、社交性やコミュニケーションの場としても重要です。介護士は食事の際に入居者や利用者との対話を大切にし、リラックスした雰囲気を提供します。排泄に関しても、入居者や利用者のプライバシーを尊重しながら、安全かつ衛生的なケアが行われます。

午後には、医療の連携が再び必要となります。医師の指示に基づいた医療処置や服薬管理が行われ、入居者や利用者の健康状態を常にモニタリングします。感染予防対策もこの時間帯に重要となり、手洗いや消毒などが徹底されます。

 

午後の看護業務

午後になると、再び入浴介助や排泄ケアが行われ、入居者や利用者のリラックスした時間をサポートします。入浴介助は、体調の変化や皮膚の状態を確認する良い機会であり、入浴中に気づいた問題に対して迅速に対応できます。同時に、リラックスした入浴環境を提供することで、入居者や利用者の心身のリフレッシュを促進します。

医療処置においても、慎重かつ丁寧なアプローチが求められます。特に認知症の方々に対しては、コミュニケーションスキルがより一層重要となります。安心感を与え、信頼関係を築くことで、医療処置がスムーズに進むことが期待されます。服薬管理も慎重な作業であり、誤りのないように確認が行われます。

感染予防対策は、午後も徹底されます。手洗いやマスクの着用はもちろんのこと、共有スペースの清掃や換気などが行われ、入居者や利用者の安全を確保します。特に、感染症の流行が懸念される状況では、予防策が一層強化されます。

 

夕食と日課の終わり

夕食の時間には、入居者や利用者が一日の疲れを癒し、リラックスできるような雰囲気が整えられます。食事は、栄養摂取だけでなく、社交性やコミュニケーションの場としても大切にされます。介護士は食事の際に入居者や利用者との対話を大切にし、リラックスした雰囲気を提供します。

夕食後には、日課としてのレクリエーションや入居者や利用者とのコミュニケーション活動が行われます。これは、日中のアクティビティが身体的・精神的な活動だけでなく、入居者や利用者との関係構築にも大きく寄与します。コミュニケーションを通じて、入居者や利用者の好みや希望を把握し、それに基づいたプランを立てることができます。

夜間の支援に向けた準備も始まります。夜勤の介護士が担当する業務に関する情報共有やミーティングが行われ、夜間の対応に備えます。また、夜勤前には医師との連絡や夜間の診療に関する情報を確認し、必要な対策を共有します。

 

夜間の看護サポート

夜になると、入居者や利用者が安心して眠るために、夜間の看護サポートが不可欠です。夜勤介護士は、夜間における入居者や利用者の様子を見守り、異変があれば迅速に対応します。認知症の方々に対しては、夜間の不安や混乱に対処するために特に配慮が必要です。入居者や利用者の安全を確保し、安眠をサポートすることが夜間の主な任務となります。

夜間の看護サポートにおいては、コミュニケーションが限られた状況で行われるため、言葉だけでなく、非言語コミュニケーションも大切にされます。手を握りしめることや静かに傍にいることが、入居者や利用者にとって心地よさや安心感を提供します。

夜勤介護士は、夜間の対応だけでなく、緊急時の応急処置にも備えています。異常な状態や緊急事態が発生した場合、迅速で適切な対応が求められます。夜勤介護士は慣れない状況にも臨機応変に対応し、入居者や利用者の安全を最優先に考えます。

 

夜勤の役割

夜勤の介護士は、夜間における入居者や利用者の安全を確保する役割が求められます。夜勤業務は、通常の業務が落ち着いた時間帯であるため、入居者や利用者への一対一のケアや深夜の様子を見守ることができます。異変があれば即座に対応し、必要に応じて医師や他のスタッフと連携して状況を把握し、適切な対策を取ります。

夜勤の介護士は、入居者や利用者が安眠できるように環境づくりにも力を入れます。明かりや音量の調整、必要に応じた安心感を与えるコミュニケーションが重要です。また、夜間においても入居者や利用者のプライバシーを尊重し、安心して眠ることができるような環境づくりが求められます。

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